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サイキックと統合失調症の違い3

瞑想による意識の開発(ここでは霊能力の開発のことを指します)をしているときに、陥ることのある「魔境」「スピリチュアル・エマージェンシー」そこを乗り越えると素晴らしい世界に近づきます

<魔境とは・・・・>

 

魔境とは、禅の修行者が中途半端に能力を覚醒した際に陥りやすい状態で、意識の拡張により自我が肥大し精神バランスを崩した状態のことを指します。ユング心理学で「魂のインフレーション」と名づけられた状態も同様の状態のようです

 

 瞑想などを続けていると、様々な霊的能力が開発されてきます。例えば、光が見えるようになったり、神格化されたものと一体感を感じる至福体験をしたり、身体の感覚が変わり微細なものが認識できるようになったりなどです。

 

光を見たり、霊的な存在とのコミュニケーションが可能になったり、他の人の意識を読むことが出来るなどの、体験も起きてきます。

 

ただ、そのような、肉体を超えるような体験をしてしまうと、「自分はすごい存在なんだ」とエゴが肥大してしまうことがよくあります。

 

 この時、霊的な存在(低級霊)から、「お前は特別なすごい存在だ」「お前は支配者になれる」「お前は神だ」などのささやき=誘惑を、信じて陶酔し、そのささやきに従って、教祖のように尊大な行動をとったり、周りに恐怖を与えるような支配的な行動をとったり、透視能力などを使って、エゴを満たすためにだけに他人の行動や心の中を、許可なく読みに行くなどの衝動に駆られることがあります。このような宇宙の法則に則さない行動に至る危険性がある状態が魔境の状態です。



<魔境の本当の意味>

この時、強いエネルギーも同時に生じるので、本人は活力がみなぎる感覚をもち、万能感があり、異常事態であることは気づかないことがあります。ところが、魔境の体験は、これを正しく切り抜けていかなければ、体調をくずすしたり、社会的な信用を失うなど、不幸な方向に導かれてしまいます。

 

エゴの利得のためだけに霊能力を使うことは、スピリチュアル的にはルール違反であり、宇宙法則や、因果の法則を知っている人、高次の意識に達している人は決してしません。他人に許可なく透視をするようなこともしません。そして、高い次元に達する前に、それに見合わない間違った行動を選択をした時に、不幸を与えられて学習をさせられるのです

 

 私は、この魔境の状態を「お試し」だと思っています。

 

意識開発を、このまま進めて良いのかどうかの、宇宙からのテストだと感じています。霊能力は、それが宇宙全体のために必要だから与えられるもので、奉仕のための道具です。なのでエゴを満たすために、使用しようとする人を篩い分けるためにこのような魔境があるのではないか?と考えています

 

多くの人が、このような魔境の状態を少なからず経験するのですが、肥大した自我を、客観的にみて『おかしい』と認識できる心があるかどうかでその後の道が分かれてしまいます

 

お試しが来た時に、自分に起きていることに気付いて、その誘惑をはねのけることが出来た時に、初めて次の段階に行くことが許可されます。この状況が起きた時に、自分の耳に甘い言葉を信じて、それに従い、宇宙法則に反した行動をとり続けてしまうと、その意識開発はストップし、場合によっては精神障碍者としての道をあゆまなければならなくなることもあるのです。

 

でも、それに気づいて、修正し、宇宙法則に乗っ取って、成長したときに、豊かなギフトが待っているのも真実です。

 

これは、魔境での優越意識などに比べると、地味に感じますが、心の底からの喜びと安心感と深い愛を感じる体験です。

 

 

精神障害
魔境イメージ

<魔境と精神障害>

魔境に入って正しく学習出来ない場合、さまざまな問題行動をとりづつけてしまう危険性があります。

 

精神医療の現場では、自分自身(肉体)が経験した以外の情報を持つのは異常だと考える人がほとんどです。なので、「神からのお告げだ」とか「悪魔が支配する」などといった発言をして他人に悪い影響を与えていると、妄想型の統合失調症や、緊張型の統合失調症、躁病などと診断され、一生服薬を強いられることもあります。魔境は病態としては、祈祷精神病に含まれる神経症の一種と考えられているのですが、一見統合失調症や、躁病の誇大妄想に似ているため、そのような診断に至ることが多いのです。

 

本当は、瞑想などの意識開発の結果、魔境に陥った人は、個人差はありますが、多くの場合薬を使わないか、使っても少量の向精神薬と適切な心理療法や、心理教育で改善していきます。ただ、心に深い自己愛の問題を抱えていると長期化することがあったり、もともと精神病の素因がある場合は、意識開発の結果発病してその後の人生を精神病として生きていかざるを得ないこともあるのです。

 

<魔境に陥る人の特徴>

意識開発の結果、魔境に陥る人の特徴は、自己価値の問題を抱えている人が多く、神秘体験をするまで、自分の存在価値を見いだせていないということがよくあります。そういう状態の人が、神秘体験をすると、初めて自分の価値を見出し、それまでの反動でそれに執着して抜け出せなくなる傾向があるようです。また、神秘体験をしても自分自身に、それを受け取る価値がないなど、自己卑下の気持ちがあると、その体験を奪われてしまうのではという不安や焦りが生じることがあり、それを否定するように一層、「自分はすごい存在になった」に執着することがあります。神秘体験そのものが問題なのではなく、それに執着してしまうの心が問題なのです。

 

このような心理は、統合失調症のそれより、むしろトラウマを持った人の心理に近いものがあるように感じます。

 

 <魔境に陥った時の対応>

 魔境に陥り抜け出れなくなった時には、その現象を十分に周囲が理解する必要があります。保護的な環境で、まず体を整え、正しい行法を通じて気の流れを整える事。そして、自己肥大に陥りやすい、心の傷をいやすトラウマケア。この現象を知的に理解するための心理教育、このようなエマージェンシーにも対応できる、意識開発の指導者につくことが必須です。意識開発には、スピリチュアリティを高めてから取り組むことが必要で、きちんとスピリチュアリティが育っていると、魔境の意味を素早く察知し、適切に誘惑を抜けていくことが出来るのです。

 

 

 <服薬の目的>

せっかく、神秘体験に至ったのに、服薬でその能力も消し去ってしまうのではと心配される人がいます。

治療の対象は、あくまでも肥大した自己による、誇大性など現実に即さない行動を止めて、社会不適応者になることを辞める事なのです。肥大した状態で、他人を害するような発言をしていれば、因果の法則で必ず本人も不幸になるので、あくまでも本人を守るのが治療の目的です。症状が激しい場合は代替医療では難しい場合があります。その時は一時的な服薬は仕方ないと受け入れることも大切です。

 

 

<魔境とサイキック>

聖書の中にも、イエスが荒野で誘惑に合ったことが書かれていますが、これもこの魔境のことだと理解しています。

イエスは、宇宙法則を完璧に理解していたためその誘惑に負けることはなく、完全なサイキック能力・霊能力を発揮しました

 

本物の聖者はサイキック能力を発揮することができます

・本物の聖者はサイキック能力に固執しません

・本物のサイキックは、エゴのためだけにサイキック能力を発揮しません

・本物のサイキックはクライアントに甘い事を言って、コントロールすることもしません

 

本物のサイキックは宇宙法則をキャッチしているので、それに反することは選択しません未熟なサイキックの場合、何が宇宙法則か分からず苦しむことはあります。そして、常に、何が真実かを確認しながら生きることになります。

そして、本当の聖者(悟りを開いた人)はこれが完全に身についているので宇宙法則に反した行動は自然としないのです。

 

聖者となるまでには、まだいくつもの転生を繰り返さなければならないかもしれませんが、少しでもそこに近づいていきたいと思います。

 

 

まとめ:意識開発をしていると、魔境という状態に陥ることがありますが、それをお試しや誘惑ととらえて、スピリチュアルな対応    をして乗り越えた人が本当のサイキック能力を発揮する準備が整った人たちです

    魔境に陥って抜け出れない場合、精神異常をきたすことがありますが多くの場合は神経症レベルで正しい対応で回復します

    魔境に陥って抜け出れない人の一部は、精神病の素因(遺伝的な弱さ)を持っていて、意識開発をきっかけに、精神病を

    発病することがあるので注意が必要です

 

 

 

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