病気と心をめぐる誤解と真実

 精神科医・心理セラピスト・ヒーラーの天野葉月です
昨年は、思いがけず「ガン」告知をされ、右半身の運動障害などが一気に襲ってきて
いろいろな体験をした1年でしたが、おかげさまでとても元気です(#^.^#)
 
 
ガンや難病になると、たいてい「なんで私が??」と考えるのね
何か悪いことをしたのか(カルマ説)
不摂生をしたのか(生活習慣)
ストレスのある環境が悪かったのか(対人ストレス)
これを乗り越えて次の人生に生きる転換期になるのでは(使命説)
 
などなど、原因追及に明け暮れて答えの出ないスパイラルに入ってしまうことがあるんです
 
 
たいてい医者は
最近は、病気の原因は全部、心の問題からきている!と言い切っている人もいて
その言葉をうのみにして、自己虐待を始めてしまう人までもいる
病気から立ち直るきっかけになるどころか
悪化してしまうこともある
 
 
理論を多方面から吟味せず
自分のフィルターを元に誤訳して人を諭すと
その言葉で傷ついてしまう人もたくさんいるのね
 
代替医療に限らず、良書は、必ず例外や自論で網羅できないこともある趣旨が書かれている

だって、人間はまだ進化途中

 

 

分かっていることより、分からないことの方が多いというのが、ホントのところですから

 
 
医療を嫌う人がいるの
 
 
実際、精神医療の場面では
周りに理解されないで
一般論を振りかざされて、本当の理由を理解してもらえず
人間不信に陥っている人とっても多い
 
 
薬を悪者にする人
これ、患者さんを作る家族に多い
 
 
もちろん、いらない薬はいらないの
当たり前の話
不要なものを飲む必要はないの
 
 
でも、問題なのは、とっても効果があるのに
それを飲むのを罪悪のように思っている人が
あまりにも多い
ただ、その気持ちもわからなくもない
 
 
 
精神医療って生物学的マーカーがとっても少ないので
血液などをみて診断できない
 
 
ほとんどが対話の中から、診断をつけるのだけど
情報があふれている現在、自己診断をあらかじめつけてから
病院に来る人がとても多いのす
 
 

特にうつ病

これは、簡単なようで難しい

 

 

なぜなら、本物のうつ病の人は「自分は病気ではない!」と通院拒否のが一般的だから

ようやく病院に来ても、「自分は大丈夫です」と症状をディスカウントしてしまう

 

 

そうやって、早く社会へ戻らなくっちゃと焦るのが典型的

 

 

でも、こういう人は実はすぐにでも治療をしないとならない

何故なら、うつ病は脳の病気だから

 

 

うつ病を放置するとどういうことが起きるか知っていますか?

 

 

デフォルト言うと、脳細胞が死んでしまう

もっと正確に言うと、神経が成長を止めてしまうのね

これが、その後のうつ病の人の苦しみを作り出すのだけど、感情が鬱々するというのは当たり前

考えたり、判断したり、決断したり、行動する能力が阻害されてしまい人生そのものがハードになっていく

 

 

こういう方は、薬が絶対に必要

 

 

薬には止まった神経の成長を促してくれる働きがあるから

 

 

だから、効果がある薬を周囲が辞めろというのは「死になさい」「廃人になりなさい」

と言っているようなものなのです

 

 

一方で、薬で具合が悪くなる人もいる

それはいくつかのパターンがあるのだけど

・薬が効かないほどの重症うつ病

・うつ病ではなくて適応障害

・双極性障害

・体の病気に伴ううつ状態

 

 

などが代表的です